強迫性障害になりやすい性格はあるの?




「心配性」「綺麗好き」「完璧主義」などと、

性格の問題で片付けられてしまうこともある強迫性障害(OCD)。

実際、このような性格は病気と関係あるのでしょうか?

結論、「強迫性障害になりやすい性格」はありません。

 

性格よりも「環境」が強迫性障害のトリガーに

強迫性障害の発症に性格は関係なく、言い換えれば誰でもなり得る病気。

発症の有無は「環境」に左右されます。

例えば、家庭環境や職場環境。

  • 宿題や整理整頓など、親から何でも完璧にやるよう厳しくしつけられた。
  • 書類の確認作業、誤字脱字の確認作業などのミスが許されない職場で働いている。

 

こうした環境下では、強迫性障害の芽が育ちやすいとされます。

特に子どもが強迫性障害になるケースでは、両親のどちらかが過剰な心配性で、強迫的な行動をとっている場合が多いです。




余裕がない環境だと、強迫性障害はおとなしい

強迫性障害が鳴りを潜めている環境もあります。

どんな例でしょうか。

時間的余裕がない環境

仕事や家事、育児などに追われ、いつも忙しい。

こんな状況では、強迫観念は起きにくいとされます。

時間がないと、あらゆることにこだわる「余裕」が生まれないからです。

 

逆に、暇で時間が余っている場合。

何度も手を洗ったり、同じ場所を行ったり来たりしたり、戸締りを過剰に確認したり…

あらゆるこだわりを突き詰める、余裕ができてしまいます。

これが、強迫性障害が付け入る「隙」になるのです。

 

ぼくが強迫性障害を克服できたきっかけも、振り返れば多忙な職場で働き始めたことでした。

余りに忙しく、気が付いたら荷物を地面に置いていましたね。

その時は、それはそれは自分にびっくりしました(笑)

当時の状況は僕が強迫性障害になった原因、治療、そして克服(後編)を読んでください。

抑圧された環境

例えば、幼少期から家族の虐待に苦しんでいた人が、

結婚をきっかけに温かい家庭を手に入れたら、強迫性障害を発症した、というケースがあります。

「身に危険を感じる状況」「自分の主張が通らず支配された状況」では、

強迫観念にとらわれる「余裕」がないからだと考えられています。

 

似たような事例では、

「危険な野生動物」や「戦争」、「死に至る流行病」など身近に多くの危険(リスク)があった時代に比べて、

リスクの少ない現代では強迫性障害を誘発しやすいという説もあります。

あらゆる現実的なリスクに敏感に反応しないと生きていけなかった時代の名残がそのまま引き継がれ、

便利で平和な時代になったにもかかわらず、現実には考えづらい「バイキン」や「不幸」などへの不安が過剰に機能しているというのです。

強迫性障害は、現代人ならではの病気とも言えそうです。

実際に、近代以前は現在ほど強迫性障害の発症例は多くなかったと考えられています。

まとめ

強迫性障害の原因は、

性格<環境だということがお分かり頂けたでしょうか。

言い換えてみれば、

性格は自力で変えるのが難しいですが、環境はある程度選ぶことができます。

(もちろん、家庭環境など選べない事例もあるでしょう。そのような場合は、周囲の協力が強迫観念を抑えるために不可欠です:子どもの強迫性障害。家族の関わり方は?

強迫性障害になったからといって、あなたの性格に問題があるわけではないのです。

周囲の環境を観察して、変えられる部分から少しづつ変えていきましょう。


参考文献

図解やさしくわかる強迫性障害

本人も家族もラクになる 強迫症がわかる本 ココロの健康シリーズ

 










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