強迫性障害の代表的な治療法:認知行動療法と投薬治療




強迫性障害の治療は、「認知行動療法」「投薬治療」の2つが代表的です。

それぞれの特徴を分けてみていきましょう。


本記事の参考資料は下記の通りです。

強迫性障害|みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省)

図解やさしくわかる強迫性障害

本人も家族もラクになる 強迫症がわかる本 ココロの健康シリーズ

 

認知行動療法

強迫性障害の患者は、「強迫観念」(頭から離れない考え)が浮かんだ時、

「強迫行為」(強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為)を行うことで、一時的な安心感を得ることできます。

しかし、この不安や恐怖感はしばらくすると再び現れ、強迫行為を繰り返し、

強迫観念が肥大化・強化されるという悪循環にはまっていきます。

 

この悪い流れを断ち切るために有効とされるのが、認知行動療法です。

再発予防効果が高く、多くの患者に有効であるという臨床結果が得られている治療法です。

僕の体感としても、この治療が一番有効だったと感じています。

 

強迫性障害の治療に用いられるのは、「ERP」(エクスポージャーと儀式妨害)と呼ばれる方法です。

ポイントは、

「あえて強迫観念に身をさらし(エクスポージャー)、かつ強迫行為を我慢(儀式妨害)する」こと。

強迫行為を我慢することで、不安が軽くなることを体験し、悪循環を断ち切るのが狙いです。

例をあげましょう。

  • 汚いと思うものにわざと触ったまま、手を洗わないで我慢する
  • 鍵をかけて外出したら、施錠を確認するために戻ることを我慢する
  • 物の配置が気になっても、我慢して放置する

 

などです。考えただけでも、ぞっとするのではないでしょうか。ERPでは、最初は軽い刺激からスタートして、徐々に与える刺激を強めていくことで、患者が慣れるように行っていきます。

最初は強迫行為をあえて我慢することで、不安感・恐怖感を大きく感じますが、徐々に薄れていきます。

 

最終的に、患者が「強迫行為をしなくても、大丈夫なんだ」ということを自覚するようになることで、強迫性障害の症状が和らぎ、日常生活に影響を与えなくなっていくのです。

 

この治療で大切になるのが、患者自身が「病気を治したい」というモチベーションを保つこと。なぜなら、病院にいる間だけ強迫行為を我慢するだけでは、効果が不十分で、日常生活や家庭内での実践が必要だからです。

そのため、患者だけでなく家族のサポートも非常に重要です。

家族の支えが、力になります

 

ただ、いったんこの治療法に慣れてくれば、患者自身が日常的に治療に取り組むことができます。長期間にわたり継続することができるので、強迫性障害の治療効果が高まるのです。

 

投薬治療

現在、強迫性障害の投薬治療では、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬を用いることが一般的です。

SSRIは強い不安感を抑える薬で、主に抗うつ薬として使用されていますが、強迫性障害の症状にも効果があることがわかっています。

強迫性障害の患者は、うつ病を併発していることが少なくありません。

 

「まだ認知行動療法をする自信がない、怖い」という場合、まずは投薬治療で抑うつ症状・不安感を抑えてから、認知行動療法に移るのが一般的です。

 

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)として処方されることが多い薬を知っておきましょう。

主に使用されるのは

  • ルボックス(マレイン酸フルボキサミン)
  • デプロメール(マレイン酸フルボキサミン)
  • パキシル(パロキセチン塩酸塩)

などです。

いずれも眠気や吐き気といった副作用を伴います。服用を続けるうちに軽くなりますが、最初は服用量を抑え、徐々に量を増やしていきます。

 

こうした薬剤は、効果が出始めるまで3〜4週間程度かかります。

薬が効き始めると、強迫観念が浮かんでも、怖くなくなります。

「薬が効いてるな」と効果を実感できた際、認知行動療法を合わせて受けられると一層効果的です。

服薬を途中で辞めてしまうと、症状が元に戻ってしまいます。1〜2年程度継続して投薬治療を受けるケースが多いようです。

患者の「治したい」という意思が最も重要

強迫性障害の治療は、僕自身の経験からも、辛いことが多かったです。

たくさんの薬を長い期間、飲まないといけなっかったり、

特に初期は認知行動療法が苦しく、辞めたいと思ったときもありました。

しかし、継続できたのは「強迫性障害を治して、楽な人生を取り戻したい」という強い気持ちがあったから。

強迫性障害は、「治る病気」です

 

紹介した認知行動療法、投薬治療のどちらも、継続することによって初めて、効果が出ます。

  • 病気のことをよく知り
  • お医者さんの先生とよく相談し
  • 「絶対に良くなる」と信じ、じっくり治療を続ける

 

このことで、強迫性障害は快方に向かいます。

強迫性障害の治療は一朝一夕には終わりません。ゆっくり構えて、焦らず、自分のペースで病気と向き合いましょう。

 

家族・友人の役割

強迫性障害は周囲を巻き込む病気。治療には身近な人の理解が不可欠です。

家族や友人の方は、以下のようなことに気をつけるといいでしょう。

  • 患者を責めない。強迫性障害は病気なのです。甘さや、弱さではありません。
  • 本人の苦しさや、治療しようという努力を理解しましょう。
  • 患者が病気になったのはあなたのせいではありません。周りの人が罪悪感や責任感を感じていると、患者にも伝わります。
  • 治療の効果に一喜一憂しない。患者のペースに寄り添ってあげましょう
  • 強迫行為を助長しないようにする(患者から求められても手を洗わない、など)

 

僕が周囲の人にしてもらって嬉しかったことは元患者が教える、友達や家族が強迫性障害になった時の接し方。にまとめてあります。

 










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